【世話役短評】 小説創作の動機について考察する会となった。抽象的な芸術一般の話になってしまい、小説の小説たる所以に踏み込めずに個別の作品の話などに落ちてしまったのが残念。発表者はマスメディアの報道が私たちの日常を制約しており、そこから脱出するための手段として個人の創作を考える。その際に「陰謀論」の有効性を強調するが、「なぜ私たちは彼岸を必要とするのか?」「なぜ日常に安住できずに陰謀論を立ててしまうのか?」といった点を掘り下げると既成事実に囚われずに哲学的な思索をもっと深められると感じた。(深草)