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哲学ファンの為の空間論入門 -数学武装の勧め-(第27回哲高レジュメ)
【編集註:dualityさんによるレジュメです。html化にあたり、タグ付けによる解釈(見出しレベルなど)が入っています】
☆緒言
哲学は形而上学、詭弁で止まって欲しくない。また社会現象、自然を見つめるにしてもheuristic, adhocなレベル、博物学の段階で止まって欲しくない。数学を言語とする基礎科学へ踏み込む努力が必要だ。それにより、体系化、概念の拡張、誤謬の発見、自然の複雑さ、科学の限界を知るであろう。心理学、脳科学への攻略、環境問題への理解も空間についてもっと知る必要がある。一口に空間と言っても茫洋としているが、行動、回想、認識、思考の場という事。ここでは、歴史的な空間概念の拡張、高次元空間、非整数次元等について紹介する。哲学のテンプレートになれば幸いだ。
☆歴史的レビュー
- Euclid: 原論(直線と円による空間構成)
- Copernicus: 地動説(座標変換の効用) -> 万有引力
- Descartes: 方法序説(数量の直交座標への展開) -> 分析、近代科学の誕生
- Boliyai: 空間論 -> 曲がった空間(Lobachevsky, Riemann) -> 一般相対論
- Galois: 群論 -> 対称性
- 特殊相対論: 時間の空間との一体化
- 量子論: 不確定性原理(空間の双対性)
- くりこみ群、フラクタル -> 次元の非整数化
☆高次元空間
-点粒子がそれぞれ持つ空間
-関数空間
-正多面体の高次元化
-高次元結晶
☆次元の落とし方
- 拘束条件と自由度
- 断面と射影
- 周期的境界条件(対称性)
- 粗視化、くりこみ
☆非整数次元
☆距離もいろいろ(ノルム)
☆ネットワーク(空間のつながり方)
参考:
相対論については解説書が多いので触れないが次の本はお勧め。数式は出るが、文系の人にも易しい解説。
- 一石 賢: 道具としての相対性理論(日本実業出版,2005)