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アバウトアイコン哲学道場の現状認識とその目的

A.哲学は生きるのに必要ない。しかし関心を持つ人は存在する。

「哲学」というのは、人間が生きていくのに必要がないものです。哲学を勉強して生活の糧にできるのは、哲学や哲学の歴史を教える教師の人か、大学などの専門機関の研究者、あるいは文筆業といった限られた人々だけです。特に哲学を仕事にしているわけでもなければ、仕事上で使うわけでもない大多数の人々にとって哲学は疎遠なもの、敬遠しておくべきもの、よくわからないし自分には関係のなさそうなもの、でしょう。

しかし、とはいっても哲学に関心を持つ人が大学だけにいるわけではありません。また、職業的関心しか持った人だけが哲学ファンというわけでもありません。これもまた社会的事実です。インターネット上を見渡すと、「哲学」に関心がある人は全国に点在しています。もちろん「哲学」の内容は神秘主義・宗教・精神論・人生論・心構えから、政治・思想・倫理・歴史・社会問題に関するもの、文学・美術・音楽・演劇・映画・批評に関するもの、あるいは哲学史や論理・情報・科学哲学・分析哲学についてのものと様々です。玉石混交だ、学問的には99.9%が無価値なゴミではないか? と考える人も少なくないでしょう(このサイトもそうかもしれません!)。しかし、大学から哲学教師の職が消えたり、哲学に限らず「難しい本」が売れないという出版界の声を聞く中でも、少なくとも「哲学」に関心を寄せる人がいなくなったわけではない、ということはわかります。

B.「哲学道場」はどんな目的・どんな方向性を持った活動なのか。

哲学に関心がある人たちは、その関心を様々な仕方で満たします。たとえば、インターネットで検索したり、昔の哲学者や哲学研究者が書いた難しい本を読んでみたり、大学が行っている公開シンポジウムに出席したり、カルチャーセンターが主催する哲学講座を受けてみたり、友人と哲学談義をしてみたり……と言った具合です。

「哲学道場」に出席することもそうした関心の満たし方のひとつです(飽くまでワンノブゼムです)。哲学道場は哲学に関心がある人のための討論会です。全国に点在する哲学ファンの人や在野の研究者の人たちをつないでいって、議論の土台となるような土俵――いわゆる「時代精神」や理論的な地平のようなものを共有することを目的にしています。言い換えれば、「別に大学にいるわけでもないし、そんなに哲学に詳しいわけでもないけれど、哲学をもっと楽しんで自分の関心を満足させたい」という人たちをつないでいく、ということです。哲学に対する関心を広くとりあげていきたいので、既存の特定の思想や哲学のどれかを持ちあげようというわけでもなければ、どれかを排除しようというわけでもありません(もちろん開催現地の憲法・法律・条例には従わざるを得ませんが)。しかし、もうちょっと哲学に関心を持つ人たち同士の見通し・風通しをよくして哲学を楽しみやすくできればいいな、という思いで運営しております。実際、哲学道場の特色は何でも発言できる自由闊達・談論風発・フリーダムな雰囲気にあります。

ここで「哲学道場」の具体的な活動内容に入る前に、まず、哲学道場はどんな方を主な対象とした活動であるのかについて、解説致します。というのも、そうすることで「哲学道場」がこの文章を読んでいるあなたにふさわしい場所かどうか、あなたにとって哲学道場に出席することがいいことなのかどうかを判断する材料にしていただけると考えるからです。

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